先日、大型書店で目に入り購入。
「母の遺産」と「本格小説」、作者は水村美苗。
「母の遺産」は新聞の書評で気になっていたこともあり、ぱらぱらと拾い読みして迷わず。第一印象で魅かれるものがありました。
「本格小説」は10年ほど前の既刊本で、これも以前の書評が記憶に残っていました。題名そのものが変わっていたからでしょうか。
さらっと終わる短編より、読み進むうちに作者が創った世界にぐいぐい入り1週間ぐらい抜けられない、そんな長編が好きなので、分厚い2冊は私の好みにあってます。独特の掘り下げ方、展開手法が読む人を飽きさせません。私小説なのかそうじゃないのか。母、家族、親子、夫婦、恋人、家族の介護と死に関するここまでのディテール、確執描写は私小説じゃないと書けないだろう・・・、いや虚構だからこそここまで深入りできるのか。ただ、いくつか日本語表記に気になるところがある。「づ」と「ず」の使い分け。やや不満。これってどんな意図があるんでしょうか。
2冊共通の感想です。
しかし2冊は違う本、いったいこの作者の構成力はなんなんだ。
実は「本格小説」は日本版「嵐ヶ丘」をねらったものということ。
とは言っても模倣でもなんでもない、この構成力。まさに本格的で、ほとばしる才能を感じさせます。
「母の遺産」は最初の数ページはちょっと違ったかな、という気持ちになりましたが、読み進むうちに容赦なく引き込まれ、よくもこんな本が書けたもんだと斬新さに驚き、作者のことをもっと知りたい、そんな気にしてくれます。挿絵のように出てくる「金色夜叉」の味付けも面白い。
いろんな読書仲間に紹介したい。そして違う作品も読んでみたい。
でもその前に藤村の「夜明け前」。
神保町で雨に濡れながら、10軒目ぐらいでようやく手に入れた“次の楽しみ”です。
0 件のコメント:
コメントを投稿