1ヵ月ほど前に読了。
「木曽路はすべて山の中である。」の書き出し。馬籠・妻籠が舞台。和宮降嫁の大行列エピソード。もちろん藤村(とうそん)の作品。そういったことしか知らなかった「夜明け前」。
なぜか気になっていました。
この1年ぐらい、新聞のエッセーで複数回、本書のことが書かれていたからです。
それからは書店へ行くたびに藤村の名前を探し、「夜明け前」を求めてきましたがなかなか見当たりません。そして神保町三省堂でようやく見つけた新潮文庫。ページをめくってみると字が小さい。そんなに進んでいなくとも老眼には可読不能。
別の棚で見つけた岩波文庫。文字は若干大きめ、しかし全冊そろっていない。周辺の古書店を巡るもさっぱり。近くの岩波ブックセンターにないはずはない。期待して行くも、品切れ。
別の棚で見つけた岩波文庫。文字は若干大きめ、しかし全冊そろっていない。周辺の古書店を巡るもさっぱり。近くの岩波ブックセンターにないはずはない。期待して行くも、品切れ。
さらに古書店を数軒まわって、やっとのことでセット売りを手にすることができました。
全4冊、こんなに長編だったとは…。まずそれに驚きました。
読み進むうちに、「これはとんでもない大作だ」と身構えてしまうほど。まさに圧巻。
黒船来航、徳川幕府の衰退、和宮降嫁、参勤交代の廃止、桜田門外の変、長州征伐、水戸天狗党の乱、大政奉還、戊辰戦争、都の移転、版籍奉還・廃藩置県、西南戦争、…あのたった数10年の間に目まぐるしく移り変わった時代。
木曽路はそれらにからむ多くの人の往来に重要な役割を果たしていた、ということ。当時は東海道よりも木曾路を含む中山道の方が重要ルートだったのでしょうか。
そこに住み、暮らしていた人たちが急転回する歴史の中で、翻弄されながらも必死に生きていた。そして彼らにとっては、明治になっても、実はいつまでも夜が明けなかった。
「夜明け前」のメッセージはそういうところにあるように思いました。
知った気になっていた作品をじっくり読む機会をえて、ほんとに良かった。
そんな読後感です。
冒頭の印象だけで、木曽路を何度か訪れました。和宮降嫁のエピソードは興味ありますが、そんな大作は無理ですねー。多方面の読書力に感心します。
返信削除昨日、馬籠、妻籠に行ってきました。主人公・青山半蔵が今でも生活しているような、そんな街道・宿の保存状態に感心しました。次回ブログ、乞・ご期待。
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